令和4年、年頭のご挨拶
日印国交樹立70周年を迎える令和4年の年頭にあたり、ご挨拶申し上げます。
今日の日印関係は、「特別戦略的グローバル・パートナー」として、二国間の様々な分野での幅広い協力関係のみならず、地域的、国際的な課題に対しても協働して取り組む、極めて緊密なものとなっていますが、70年前の1952年、日本とインドが外交関係を樹立する書簡を取り交わし、平和条約を締結することによってこの関係の礎が築かれました。戦後の日本は国際社会への復帰を優先課題としていましたが、インドは日本の国際社会への復帰には名誉と平等の立場が確保されるべきとの考えから、サンフランシスコ講和条約に署名せず日本との個別の平和条約締結を選びました。そして、両国はその後70年をかけて、揺るぎない信頼関係を構築したのです。
昨年は、新型コロナ・ウイルスの感染拡大により、大きな影響を受けましたが、この信頼関係に裏付けられた日印協力関係は着実に進展しました。両国の首脳間では対面を含め4回の会談が行われ、海上自衛隊とインド海軍の共同訓練なども行われました。経済協力面でも、チェンナイ・メトロ、ハイデラバード外環道路等をはじめ、各地で協力案件の建設や整備が進んでいます。また、ハイデラバードやタミル・ナド州オラガダムでなどで「日本式ものづくり学校」が開設されました。人的交流面では、特定技能労働者制度に関する二国間の協力覚書が署名されました。
今年は、「Building a future for our Centenary」というテーマの下で日印国交樹立70周年行事を行います。未来の日印関係の更なる発展を思い描きつつ、両国にとって、両国国民にとって、友好、友情と信頼を更に深める年となるよう、皆様と協力していきたいと思います。
今年も新型コロナ・ウイルスとの闘いが続きます。医療サービス関係の方々をはじめ多くの方々がその対策、対応に懸命に取り組んでおられることに敬意を表します。総領事館としましても、在留邦人の皆様との緊密な連携の下、皆様が安全に生活でき、活動を行うことができるよう、できる限り努めて参りますので、引き続き、ご指導ご鞭撻賜ります よう、宜しくお願い申し上げます。
日印国交樹立70周年となる今年が、皆様にとって、また日印両国にとって、より良く、より実り多い年となるよう心より願います。
令和4年正月
夛賀 政幸
在チェンナイ日本国総領事